有名な豊島美術館があり、アートの島として知られる豊島。島のあちこちに美しい自然や絶景が点在しています。
瀬戸内国際芸術祭をきっかけに海外にも知られるようになった瀬戸内エリアは、数多くの島々からなる多島美の景色が大きな魅力です。
そんな瀬戸内の島々のなかでも豊島は自然にも恵まれ、直島と並びアートの島として人気が急上昇しています。
とりわけ豊島美術館と唐櫃棚田は、1度訪れたらきっと忘れられない思い出になります。
- フェリー・高速船
- 香川県・高松のフェリー乗り場、サンポート高松から乗船します。家浦港まで所要40〜50分程度。岡山県・宇野港からも船が出ています。
家浦港

フェリーが発着する豊島の港は、こちらの家浦港と東にある唐櫃港の2つです。今回は家浦からスタートしてみました。
島を丸ごと楽しむにはレンタサイクルでの移動がおすすめ。家浦周辺にいくつか借りられる店があります。
途中かなりアップダウンがありますので、よっぽど体力に自信がある方以外は電動アシスト付き自転車を借りた方が無難です。
- レンタサイクル
- 港の周辺から民家の間を走って数分。
豊島横尾館
いくつか角を曲がると豊島横尾館のサイロが見えてきます。
横尾忠則(1936-)は商業アートやポップアートをベースに、古今東西の芸術にも独自の解釈を加えた作品を制作している画家です。
後ほど訪れる豊島美術館とは対極にあるような世界観の美術館ですが、かなりインパクトのあるスポットです。
- レンタサイクル
- 畑のある地区を通り、5分ほど走るとまた左手に海が見えてきます。
海のレストラン

島に来たら島料理を食すのが通の楽しみ方(?)です。
海のレストランは素敵な庭のあるお店で、ここでは豊島の食材を使った料理が味わえます。もちろんテラス席からは海が見えます。
営業日は限られますが、もう少し先にも豊島の島料理が食べられるレストラン、島キッチンがあります。
- レンタサイクル
- 左右に木々が茂る道をずっと進みます。アップダウンがあるので電動アシストがあっても結構ハードです。豊島美術館まで約15〜20分。
豊島美術館
瀬戸内にある美術館として、直島とともに非常に多くの人が訪れる場所です。
アートスペースと呼ばれる美術館の建物は大きな水玉のような形をしています。エントランスの建物から道に沿ってぐるりと歩くと入口に着きます。
館内は広くて静かな空間で、天井の開口部から射し込んだ日光が床に丸い形を描いています。
光、風、床に置かれた小さな球の作品、自在に形を変える水たまり、それらすべてがアートであり、歩いたり、座ったり、寝っ転がったりしている鑑賞者の心をふるわせます。
- レンタサイクル
- 豊島美術館を出てすぐ正面。
唐櫃棚田

豊島美術館の前の道の反対側、海を見渡せる場所には棚田があります。
この棚田は長らく耕作放棄地になっていましたが、2010年の瀬戸内国際芸術祭をきっかけに再生されて甦りました。
この日は天気にも恵まれ、棚田と海の景色は本当に美しく、今回の旅で一番印象残った場所の一つです。


- レンタサイクル
- 豊島美術館からは下り坂を下っていきます。スピードの出し過ぎにご注意。所要5分ほど。
唐櫃港

今回の旅のゴールの唐櫃港です。本数は少ないですが、ここからも高松港行き、宇野港行きそれぞれのフェリーが出ています。
ただし、レンタサイクルを借りた方は家浦に戻らなければなりませんので、景色に見とれてスピードを出しすぎないよう帰りもご安全に!

最後に一言書いておきたいのは、豊島の自然についてです。
1990年代、この島で大規模な産廃の不法投棄が摘発されました。この事件が明るみに出て島から産廃が撤去されるまで、多くの島民の方々が苦しめられてきました。
いま豊島に残されている豊かな自然は、島に暮らす方々がこのような不正と戦い、守り抜いてきたからこそ目にすることができるのです。
- レンタサイクル
- 心地よい風を感じながら、自転車を返しに家浦まで戻ります。
- フェリー・高速船
- 家浦港から乗船して高松または宇野へ。